最近、日本人のスポーツ選手の活躍には目を見張るものがあります。ボクシングの井上尚弥選手は日本人初の4団体統一王者となりましたし、また、野球では、先日のWBCにて、投手として活躍するにとどまらず、打者としてもチームを支えた大谷翔平選手の二刀流の大活躍がありました。今まで、このような、二刀流の選手がメジャーリーガーとして活躍するような事は、ベーブルース以来ありませんでした。そういう意味で、大谷選手は革命児なるゲームチェンジャーだと言えるかと思います。従来の野球の常識を覆すような、プレーヤーです。漫画でしか、存在しなかったような人物が、実際に世界の大舞台に登場してきたのであります。
聖書の中にも、いわば、既存のゲームからのイノベーター、ゲームチェンジャーが存在しております。
先週に引き続いて、その人の名前はアンデレさんです。
ヨハネ12:20 〜22「さて、祭りのとき礼拝のために上って来た人々の中に、ギリシヤ人が幾人かいた。この人たちがガリラヤのベツサイダの人であるピリポのところに来て、「先生。イエスにお目にかかりたいのですが。」と言って頼んだ。ピリポは行ってアンデレに話し、アンデレとピリポとは行って、イエスに話した。」
ユダヤ人の祭りである過越の祭の時に、ギリシャ人がやって来て、イエス様に会いたいと懇願してきたのであります。当時の時代背景として、異邦人であるギリシャ人は神の選民としては、蚊帳の外にいたので、ギリシャ人は異邦人である限り、そのままでは神に近づくことが許されておりませんでした。まず、割礼を受けてユダヤ人のようにならなければ、神に近づくことができなかったのです。それに、神殿には「異邦人の庭」というものがあって、たとえ、改宗者であっても、本来のユダヤ人でない者は、そこから先に足を踏み入れることは許されていなかったのです。ユダヤ人とギリシャ人の間には、そして、ユダヤ人と異邦人の間にはしっかりと乗り越えることのできない壁が依然として立ちふさがっていたのです。
当時、神の国のプロジェクトには異邦人はお呼びではなかったのです。
そんな中、ギリシャ人たちが、わざわざイエス様に会いたいと面会を求めてきました。多くのユダヤ人たちが、まことの救い主であるイエスのもとに来ようとはしなかったのに、異邦人であるギリシャ人がイエス様を求めてやってきたのです。このことは、ユダヤ人と異邦人との間にあった壁が崩れ、異邦人であっても、直接、救い主によって神のもとに近づくことのできる時がやってきたことを表わす序章の出来事だったのです。イエス・キリストの救いは、ユダヤ人と異邦人をひとつにし、ともに神のもとに近づけるものだったのです。
その壁が、最終的には、キリストの十字架によって、隔ての壁が取り除けられた事がエペソ2:13-16に書いてあるのですが、その異邦人伝道の先駆けとなる人物こそ、実はアンデレだったのです。
彼がビリポと共に、異邦人をイエス様に紹介するという大いなるゲームチェンジャーとしての役割を担ったのであります。聖書をよく読むと、このように、一見、目立つことのない黒幕がたくさん出てきます。
まさに、アンデレはそのような奥義なる人物であった事が、この事例からも分かると思います。
イエス様を紹介する達人、そしてゲームチェンジャーであるアンデレは表舞台からは隠された演者として最終的には、キリストの弟子として、X十字架に架けられてこの世を去ったと言われております。
しかし、表舞台からは見えないところで、彼はイノベーターとしての役割を演じていたのであります。アンデレさん、まさに天晴れです。